分析力を武器にできるか? -分析力を武器とする企業 –
『分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学』 読了。
著者らは、組織としてデータ分析を徹底的に活用して競争に挑む企業を「分析力を武器とする企業」と定義して、前半ではDVDレンタルの「Netfilix」、ウォルマート、カジノを運営する「ハラーズ・エンターテイメント」等の企業の実施例を紹介しています。さらに後半には分析力を組織的に活用するために必要な組織戦略、人材、技術についての概略について論じでいます。
前半の事例紹介は楽しく読めたのですが、後半部分に関しては少々表面的で概論にとどまっているところが物足りなさを感じました。
3章のなかの「分析力は持続可能な競争優位となりうるか」という節で、データ分析力が競争優位な点を以下のように取り上げています。
組織がそれぞれ異なるように、それぞれの状況に応じて必要な情報をデータ分析によって得るわけですから、上記の点が満たされるのは必然だと思います。
後半の論点は、「データ分析を行うためにはまずデータを収集する基盤が必要である。基盤を構築し、データ分析結果を戦略に取り入れ、実行するためにはマネジメントの理解が必要である」。大雑把にはこのような内容なのですが、各企業で蓄積することができる情報の種類は千差万別で、なおかつ抽出したい目的の情報も状況によってさまざまで、これといった定石は無いように思えます。そのあたりが後半、論点がぼんやりして、1歩引いているような印象を受ける理由でしょうか。
また、本書で述べられていますが、普段KKD(ドタカン、経験、度胸)のマネジメントしか見ていない組織にデータドリブンな意思決定を根付かせるのはとても大変です。しかしそれ以上に根幹をなすアナリストの養成が難しいと感じています。分析手法を道具として使いこなし、データの山からビジネス上必要な情報をより分けてゆく作業には、いわば職人的な経験が必要だと思います。座学で教えられることは多くないので、実際にケースを積み上げ、手でデータを書き分け体で覚えるしかないのではないかと感じていますが、良い教育方法はあるのでしょうか?
ともあれ、事例として紹介されている企業のデータ分析活用例は勉強になる点が多く、一読に値する本だと思います。
このようなテーマの本としては次に何を読むべきでしょうか?
お勧めがありましたらお教えください。
